
Simulacraの参画する研究課題が、文部科学省・JSTの「AI for Science革新的研究推進事業(ARiSE)」に採択されました
株式会社Simulacra(本社:東京都文京区、代表取締役:高柳 剛弘、以下「当社」)は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が推進する「AI for Science革新的研究推進事業(ARiSE)」の採択課題「論文再現・デジタルツイン・反実仮想による社会科学AI」(研究開発代表者:東京大学大学院工学系研究科 和泉 潔 教授)に民間連携パートナーとして参画し、2026年10月より研究開発を開始することをお知らせします。
ARiSEは、AIを活用して科学研究のプロセスそのものを変革することを目指す文部科学省・JSTの事業です。2026年5月から6月にかけて募集された「国際・融合型」には133件の応募があり、19件が採択されました。当社は、人の考え方や行動をAIで再現するデジタルツインの研究開発で培った技術をもとに、本課題において社会のデジタルツインの構築とシミュレーションを担当します。
ARiSEについて
AI for Science革新的研究推進事業(ARiSE)は、文部科学省が2026年3月に定めた「AI for Scienceの推進に向けた基本的な戦略方針」のもとで、JSTが実施する事業です。AIを活用して、仮説生成・実験・解析・知識統合といった研究プロセスそのものを高度化・変革し、世界を先導する科学研究成果の創出と国際連携の推進を目指しています。予算総額は320億円で、「戦略ターゲット型」と「国際・融合型」の2つの研究タイプがあります。
本事業の特徴は、AIを専門とする研究者とAIの活用先となる分野(ドメイン)の研究者が共同代表者として提案し、研究開発を共同で運営する点にあります。2026年9月29日に新規採択課題31件が発表され、当社が参画する課題は「国際・融合型」(応募133件、採択19件)の一つとして採択されました。
事業の詳細:https://www.jst.go.jp/program/arise/index.html
研究の内容
経済学や社会学などの社会科学では、人や組織の行動を対象とするため、自然科学のように条件を変えて実験を繰り返すことが難しく、研究成果の再現性も長く課題とされてきました。本課題では、この問題にAIで取り組みます。
- 論文再現:社会科学の既存研究をAIに読み込ませ、その分析やシミュレーションを再現する。これにより、研究成果の再現性を検証し、AIが社会科学の研究プロセスを担えるようにする
- デジタルツイン:インタビューや行動データから人や組織のデジタルツインを構築し、それらを多数組み合わせて社会のデジタルツインをつくる
- 反実仮想:構築した社会のデジタルツインの上で、現実には実施できなかった施策や制度を試し、「もし〜だったら」を検証する
これらを通じて、社会科学の研究をAIによって高速化・体系化し、政策や制度の設計に使える社会科学AIの基盤をつくることを目指します。
当社の役割
当社は、東京大学和泉研究室の研究成果をもとに2025年9月に設立されたAIスタートアップです。人の考え方や行動をAIで再現する「デジタルツインの基盤モデル」の研究開発を進めており、2026年4月にはLLMエージェントを用いた社会経済シミュレーションプラットフォーム「EconSimulacra」をオープンソースで公開しました。LLMエージェントによる社会シミュレーションに関する論文は、自然言語処理分野のトップカンファレンスACL 2026に採択されています。
本課題で当社は、こうした技術をもとに個人・社会のデジタルツインを構築し、その成果のマーケティング・金融・公共領域への社会実装を担当します。
研究開発の成果は、当社が企業・自治体と進めている消費者・経済・都市のデジタルツインのプロダクトにも還元していきます。
当社は、生成AIの研究と社会実装をつなぐ会社として、大学・研究機関との共同研究と、企業・自治体へのプロダクト提供の両方に取り組んでいます。本課題への参画は、研究面でのその取り組みの一つです。